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ピアノの「Aマイナーコード」について

A minor chord on piano

 

「Am」とも表記される「Aマイナーコード」は、特にピアノにおける基本的な三和音のひとつです。「ラ、ド、ミ」の音を組み合わせて作られ、ややメランコリックなサウンドを生み出します。「Aマイナーコード」は、幅広い感情を伝える能力とコード進行における汎用性により、クラシック曲から現代のポップス曲までさまざまな音楽ジャンルできわめて重要な役割を持っています。

 

この記事では、「Aマイナーコード」の構造、ピアノでの演奏方法、音楽理論と作曲における役割などを解説します。この最も表現力豊かなサウンドのひとつに関する知識を得ることで、初めてコードに触れるビギナーの方も、さらに理解を深めたい経験豊富なミュージシャンも、その次のステップへ進むことができます。それでは、始めましょう。

 

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コードを理解する

コードとは3つ以上の音符の組み合わせであり、通常、コードを構成する音符はすべて同時に弾きます。音の組み合わせによって独特のサウンドが生まれ、曲の中でさまざまな感情や雰囲気が呼び起されます。

 

コードは、おおまかに「メジャーコード」と「マイナーコード」に分かれており、その種類によって異なる情感を生み出すことができます。「ルート音、長3度、完全5度」で構成されるメジャーコードは、通常、明るい響きを持ち、楽しさや幸せといった感情に関連付けられます。それとは対照的に「ルート音、短3度、完全5度」で構成されるマイナーコードは、悲しみ、内省、厳粛さなどの感覚を呼び起こす傾向があります。

 

他のマイナーコードとの比較

すべてのマイナーコードは同じようなメランコリックな性質がありますが、それぞれのマイナーコードは独自の特徴とサウンドを持っています。「Aマイナーコード」を他のマイナーコードと比較すると、サウンドと感情的な共鳴の微妙な違いが際立ちます。

 

「Aマイナーコード」は、物思いにふける気持ちから穏やかな憂鬱まで、さまざまな感情を表現できることで知られています。作曲家や作詞家が「Aマイナーコード」を好む理由のひとつは、この表現できる感情の幅広さにあると言えるでしょう。

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Aマイナーコードの構造

「Aマイナーコード」は「ラ、ド、ミ」の音から作られています。Aマイナースケールにおける「1度(ルート)、3度(短3度)、5度 (完全5度)」になります。

 

コードの構成音についてもう少し深堀りしてみましょう。

  • A(ルート音):このコードの基礎の音になる「A = ラ」は、調性(キー)の中心を確立し、コードに「Aマイナーコード」としてのアイデンティティを与えます。
  • C(短3度):ルート音の「ラ」の短3度上の音程である「C = ド」は、コードに憂鬱さと緊張感を加え、マイナーコードとしての性質を与えます。
  • E(完全5度):ルート音「ラ」 の完全5度上に位置する「E = ミ」は、コードに安定性を加え、その倍音構造を増強します。

A minor chord on piano

とりあえずAマイナーコードを弾いてみよう

ピアノで「Aマイナーコード」を弾く場合、右手の指は次のように置いてください。

 

  • 親指(1番の指):「ラ」に置きます
  • 中指(3番の指):「ド」に置きます
  • 小指(5番の指):「ミ」に置きます

 

3つの鍵盤を同時に弾き、それぞれの音がクリアに鳴り、調和のとれた「Aマイナー」の音が出ていることを確認しましょう。

 

指の位置とそれぞれの音のバランスをしっかり覚えることで、ピアノの「Aマイナーコード」の感情的な深みを呼び起こすことができ、演奏表現が豊かになります。

 

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Aマイナーコードの弾き方ガイド

「Aマイナーコード」をマスターするには、手の位置・指の配置・各音のバランスに注意する必要があります。ここでは、ひとつひとつ順を追って解説しますので、次のポイントをおさえながらこのコードを正確かつ効果的に演奏できるように練習しましょう。

 

1. 「ラ」から始める

まず、ピアノの鍵盤上で「ラ」を探します。下の図を見てください。「ラ」は、3つ並んでいる黒鍵の3つ目の左にある白鍵です。または「ド」から3半音下がった位置にあります。

A minor chord on piano

 

2. 短3度と完全5度の音符を加える

「ラ」を見つけたら、短3度と完全5度の音を加えて「Aマイナーコード」を作ります。短3度の「ド」 は、ルート音である「ラ」 の3半音上にあります。完全5度上の「ミ」 は、 「ラ」の7半音上にある音です。

 

3. 両手でコードを弾く

「Aマイナーコード」を両手で演奏するには、左手で低音部の「ラ」(ルート音)を弾き、右手で高音部の「ド」および完全5度の「ミ」を弾きます。コードの全体的な明瞭さと各音をきちんと共鳴させるために、適切な手と指の位置をキープしてください。

 

4. Aマイナーを使ったコード進行をマスターするための練習課題

  • 上行形と下行形のアルペジオ:「それぞれの音符をなめらかにつなげて弾くこと」と「リズムをキープすること」に重点を置きながら、上行形および下行形のアルペジオでAマイナーコードを練習します。

A minor chord on piano

 

  • コード進行の練習:下の楽譜にある「Am – G – F – Am」のような「Aマイナーコード(Am)」が組み込まれたポピュラーなコード進行を練習し、コード間の移行を覚えましょう。頭で覚えるというよりも、指で覚えるというイメージで練習してください。

A minor chord on piano

 

  • 強弱をつけた練習:下の譜例のように音の強弱を変えて、演奏に表現力と深みを加えてみましょう。

A minor chord on piano

 

Quoraのディスカッションに「ピアノでAマイナーコードを弾くのは難しいですか?」という質問がありましたが、ほとんどのピアノ専門家は簡単だと答えています。また、「ラ、ド、ミ」の音の弾き方を知っておくことを推奨しています。

A minor chord on piano

 

元中学校音楽教師のグレッグ・リビングストン氏は「とても簡単です。3つの音(ラ、ド、ミ)を覚えるだけです。この3音を同時に弾くと、Aマイナーコードになります」とコメントしています。

よくある問題と解決方法

一見シンプルに見える「Aマイナーコード」の構造ですが、初心者にとってはマスターするのが難しいこともあります。ここでは、よくある問題とそれを克服するためのストラテジーをいくつか紹介します。

 

コードをおさえるのが難しい

  • 手のストレッチ:指を広げたり、手首を回したりといったストレッチを定期的に行いましょう。柔軟性を向上させ、「Aマイナーコード」の鍵盤を快適におさえられるようにします。
  • 手の位置:さまざまな手の位置と角度を試してみましょう。最も快適で効率的なフォームを見つけて、コード演奏に役立てましょう。

 

よくある間違い

  • 鍵盤を弾く力が均等ではない:バランスの良い共鳴音を出すには、鍵盤を弾く指の力が均等であることが重要です。これが強すぎたり弱すぎたりすると、音のバランスが悪くなったり、(特にアコースティックピアノの場合)音が鳴らなかったりする可能性もあります。均等な力でそれぞれの鍵盤を弾くように心がけましょう。
  • 各指を独立させる:スムーズなコード移行を行うだけでなく、次のコードや音をしっかり出すために、指がそれぞれ独立していることを意識しましょう。

 

指の疲労と緊張を克服するためのコツ

ピアノを弾くには、指の器用さと持久力が必要です。指の疲労や緊張をやわらげ、より快適で楽しい演奏を実現するためのテクニックとコツを紹介します。

 

1. 手と指の正しい位置

  • リラックスした姿勢:前腕と手首は鍵盤と同じ高さにありますか?肩に力を入れたり、かがむような姿勢は、手や指に不必要な負担がかかります。品質の高いピアノベンチのようなピアノアクセサリーを用意することも重要です。
  • 指を少し曲げる:指はリラックスさせ、少し曲げます。鍵盤を強く押しこまないようにしましょう。過度の緊張は疲労やこわばりにつながる可能性があります。

 

2.ウォーミングアップ

  • 指の柔軟体操:練習を始める前に指のストレッチを行って、手を温めましょう。腕や手の柔軟性を高める効果があります。また、音階練習やトリル練習などの簡単なエクササイズは、こわばった筋肉や関節をほぐすのに役立ちます。
  • 手首のストレッチ:手首のストレッチ運動を取り入れて、緊張を和らげ、可動性を高めます。円を描くように手首を回して、リラックスさせましょう。

 

3. マインドフルネスを取り入れる

  • リラックスすることに集中する:演奏や練習をしている際、手や指の緊張や不快感を感じる部分に意識を向けてみてください。こまめに休憩を取り、手のストレッチなどを行って緊張した筋肉をリラックスさせましょう。
  • マインドフルな呼吸を練習する:ピアノを練習する際、深呼吸の練習を取り入れましょう。深呼吸はリラックスを促し、ストレスを軽減する効果があります。鼻から深く息を吸い、口からゆっくりと息を吐き出すことに集中して、体の緊張を解きほぐします。

 

4. 焦らない練習の重要性

  • ゆっくり始める:無理のないテンポで練習を始め、慣れてきたら徐々にテンポを上げていきましょう。はじめから速いテンポで難しい部分を練習すると、腕や指の緊張と疲労が増す可能性があるだけでなく、それが癖になってしまうおそれもあります。
  • じっくり練習する:指の強度と持久力をつけるには、継続的な練習が必要です。これには少し時間がかかることを忘れないでください。はじめは少しずつでも、じっくりと練習を重ねていけば必ず上達していきます。

 

高度なテクニックについて

あなたのピアノの旅が進んできたら、少し高度なテクニックを探求してみましょう。これにより「Aマイナーコード」に対する理解が深まり、可能性が広がっていきます。ここでは、「Aマイナーコード」を少し高度な形であなたの演奏に取り入れ、創造性とバリエーションを広げるテクニックをいくつかご紹介します。

 

  • 基本形(ラ・ド・ミ) これはAマイナーコードの基本形で、ルート音の「ラ」 が一番下になる形です。

A monor chord on piano

 

  • 第1転回形 (ド・ミ・ラ) 第1転回形では、このコードの2つ目の音である「ド」 が最も低い音になり、その次に「ミ」 、「ラ」が重なります。第1転回形は、基本形のAマイナーコードに比べて、明るく開放的なサウンドを生み出します。

A minor chord on piano

 

  • 第2転回形(ミ・ラ・ド) 第2転回形は、このコードの3つ目の音である「ミ」 が最も低い音になり、その次に「ラ」 、「ド」が重なります。第2転回形は、緊張感と不安定感を生み出し、コード進行における声部のスムーズな流れにつながることが多い転回形です。

A minor chord on piano

 

以下のビデオでは、「Aマイナーコード」の弾き方と、「ド・ミ・ラ」や「ミ・ラ・ド」といった転回形の演奏方法をわかりやすく示しています。

さまざまなスタイルでAマイナーコードを弾く

「Aマイナーコード」は汎用性が高く、クラシック、ジャズ、ポップスなど、さまざまな音楽スタイルに使えるコードです。それぞれのスタイルで「Aマイナーコード」を演奏する例をあげてみましょう。

クラシック クラシカルな雰囲気を出すには、Amピアノ・コードを正確かつ明瞭に弾く。サスティン・ペダルを控えめに使って、コードのボイス・リードの完全性を維持しましょう。
ジャズ ジャズはセブンス・コードを使うことが多いので、G音を加えてAマイナー7コードを作ることも考えてみよう。シンコペーションのリズムやアルペジオを試して、ジャズっぽい雰囲気を出してみましょう。
ポップ ポップ・ミュージックでは、コードはしばしばリズム・パターンで演奏されます。安定したビートでAmコードを弾いてみたり、4コードの曲構成で使ってみたりすると、キャッチーな曲になります

 

Aマイナーコードに装飾音をつける方法

さまざまな装飾音を試すことで、「Aマイナーコード」の表現力を高めましょう。あなたの創造力を刺激するアイデアをいくつかご紹介します。

 

  • アルペジオ:「Aマイナーコード」の構成音を分割し、流れるようなアルペジオパターンで演奏します。さまざまなリズムとパターンを試して、演奏に動きとエネルギーを加えましょう。
  • メロディの装飾:トリルや前打音といったメロディの装飾をコード進行に組み込みます。これらの装飾音により、魅力的かつ洗練されたフレーズを作ることができます。
  • モーダルインターチェンジ:関係調からコードを借用し、モーダルインターチェンジを取り入れることで「Aマイナーコード」のコード進行におけるハーモニーをさらに豊かにしましょう。たとえば、下属調の「Dマイナー」から「IVのコード(Gマイナー)」を使って、少し変わったコード進行を作ることができます。(Am – Gm – F – Em)

 

コードの転回形やさまざまな音楽スタイル、装飾音などのテクニックを取り入れることで、「Aマイナーコード」の潜在能力を最大限に引き出し、あなたのピアノ演奏の芸術性と表現力をまたひとつ上のレベルへ引き上げましょう。

 

この記事のまとめ

「Aマイナーコード」は単なる音の組み合わせではありません。音楽による物語や感情表現の入り口とも言えるものです。当記事では「Amコード」の構成音、その転回形が持つニュアンス、さまざまな音楽スタイルで実現できる可能性について学びました。

 

「Aマイナーコード」の面白さは、そのシンプルさと複雑さにあります。構成音を覚えればすぐに弾くことはできますが、学べば学ぶほどに使い方の奥深さが分かってきます。心に残るクラシック曲、スムースなジャズナンバー、キャッチーなポップソングなど、あらゆる曲やジャンルにおいて「Am」は用途が幅広く、そして不可欠なコードなのです。

 

ぜひ、みなさんも「Aマイナーコード」をさらに探求してみてください。このコードはきっと、あなたの音楽の旅のサウンドトラックの一部になることでしょう。

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このブログ記事の著者
スザーナ・ペレス・ポサダ(Susana Pérez Posada)

Susana Pérez Posada

SRH Hochschule Heidelbergで音楽療法を学び、Universidad EAFITでクラシックピアノを学んだスザーナは、伝統的なピアノレッスンの枠を超えた包括的なアプローチを指導に取り入れています。Skooveのブログ記事では、豊富な音楽知識と魅力的な語り口を組み合わせることで、あらゆるレベルのピアニストの学習体験に寄与しています。ピアノだけでなく、新しい場所を探検したり、読書に没頭したりするのも好きで、このようなさまざまな経験が彼女のクリエイティブな指導スタイルをより良いものにしていると確信しています。

翻訳・編集・校閲:稲尾新吾(翻訳家、レコーディングアーティスト/作曲家)
発行:リディア・ホーヴァン(Skoove)

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