ト音記号上の音符を読めるようになることは、ピアニストが習得すべき最も重要なスキルのひとつです。高音部記号とも呼ばれるト音記号は、主に右手で演奏することを意図したメロディやコードを記譜するために使用される記号です。
ト音記号上の五線譜は、自分の位置を確認するための音楽のコンパスのようなものだと考えてください。ト音記号がなければ、ピアノ上で「中央C」より上にある音符を読むのがとても難しくなってしまうのです。
この記事では「なぜト音記号を使うのか」、「ト音記号をどのように使うのか」、「そこから何を学べるのか」など、ト音記号上の音符についての秘密を学びます。一度感覚をつかんでしまえば、ト音記号上の音符の使い方を学ぶのはとても簡単です。
ト音記号とは何ですか?
ト音記号とは、ピアノ上の「中央C」より上の音符を記譜するときに使われる記号です。なぜ「ト音記号」と呼ばれるのかというと、この記号が「中央ド」の上にあるト音(G)の位置を表すからなのです。
ト音記号を習得すると、楽譜をより早く簡単に読めるようになります。
ト音記号はどのような形をしていますか?
ト音記号はゴシック様式で書かれたアルファベットの「G」に似ています。五線の二行目あたりに描かれています。以下のような形です。
下から2番目の線の周りの曲線とそれに続く垂直線の組み合わせによって、この下から2番目の線が「G(ソ)」として扱われるようになります。
ト音記号を読み書きするのに一番良い方法は何ですか?
ト音記号上の音符の読み方を学ぶ際のテクニックはいくつか存在します。ト音記号の音名を覚える最も簡単な方法はフレーズで覚えてしまうことです。この方法でさまざまな複雑なアイデアを単純にして、記憶することができます。
先ほど、ト音記号は五線譜上の「G」を表すということを学びました。まず、そこから始めましょう。
五線譜上で、上か下にひとつ動くと、音の高さを示すアルファベットはその方向に1文字ずつ変化します。つまり、五線譜の下から2行目(第二線)から2番目のスペース(第二間)に移動すると、「A」の音符となります。 2番目のスペースにある「A」から3行目(第三線)に移動すると、「B」の音符となります。 3行目の「B」から 4番目のスペース(第四間)に移動すると、「C」の音符となります。
必要に応じて、この一連の流れを自分で五線紙に書いてみるのもおすすめです。ト音記号の読み方を理解するために、以下の図を確認しましょう。
まずはじめに、ト音記号の「線」上にある音符をご紹介します。
ト音記号の線上にある音符は次のとおりです。 E – G – B – D – F となっています。
そのままアルファベットの並びを覚えてしまうのも良いですが、たとえば「(E)駅で、(G)画家が、(B)ブラシを、(D)堂々と、(F)振っている」というフレーズを使ったり、ドレミ読みであれば「(ミ)見事な、(ソ)速度で、(シ)疾走する、(レ)列車に乗る、(ファ)双子」という風に覚えることもできます。
ト音記号の音名をしっかりと覚えられるフレーズを自分で作ってみるのも良いでしょう。
では、次にト音記号の五線譜のスペースに目を向けてみましょう。
ここまでの説明で、 ト音記号上にあるスペースの音符を2つご紹介しました。下から2番目のスペースにある「A」と、3番目のスペースにある「C」です。
残りの音名を推測するには、アルファベットの並びを思い出せば簡単です。1行目の「E」と、3行目の「G」の間にある文字はなんでしょうか?そう、答えは「F」ですね。「F」は、「E」と「G」の間の最初のスペース(第一間)にあります。
「D」の次にくるアルファベットはなんでしょうか?答えは「E」ですね。「E」は、ト音記号の4番目のスペース(第四間)、つまり一番上にあるスペースの音符です。
スペースにある音符について、以下の図を見ながら確認してみましょう。
ト音記号上のスペースにある音符は、F – A – C – E です。ここでは、このまま英語の「FACE (顔)」で覚えてしまいましょう。ト音記号上のスペースにある音符は “FACE” です。(ドレミ読みでは「(ファ)船の、(ラ)ラウンジの、(ド)ドアは、(ミ)水色」というフレーズで覚えることができます)
ト音記号上の音名の覚え方
ト音記号における線とスペース
これで、ト音記号上のすべての音符のご紹介は終わりました。楽譜というパズルを解読するためのフレーズも揃いましたので、ここで少し練習して、新しく学んだスキルを使ってみましょう。
では、下の図をご覧ください。
上のピアノの音符は線上にありますか?それともスペースにありますか?
この音符は線上にあるため、線のフレーズを使います。「駅で、画家が、、、」という感じで下から数えてみます。音符は2行目にあるので、「G」となります。いかがでしょうか?
ここで、別の音符も試してみましょう。下の図をチェックしてください。
この音符は再び線上にあるので、再度、線のフレーズを使いましょう。「駅で、画家が、ブラシを、堂々と、、、」という風に下から数えます。「(D)堂々と」の部分は4行目(第四線)なので「D」です。簡単ですね。
さらにいくつか試してみましょう。次の図をご覧ください。
この音符はスペースにあるため、”FACE” を使って読んでみましょう。下から F – A – C – E でしたね。この音符は最初のスペースにあるので、「F」です。
それでは、もうひとつ試してみましょう。
ここでも、スペースにある音符が出てきました。ふたたび、”FACE” を思い出しましょう。音符は4番目のスペース(第四間)にあるため、「E」となります。正答できましたか?
ト音記号を使うのはどのような楽器ですか?
ト音記号は、実に多くの楽器で使われます。この記事で学んだように、ピアノの右手で弾くメロディのほとんどはト音記号で表記されています。次の例をご覧ください。
この例では、ト音記号で記譜されたメロディと、ヘ音記号で記譜された和音が確認できます。ヘ音記号とは、「中央C」より下の音程を記譜するために使用される音部記号です。この楽譜では、メロディは右手で演奏され、和音は左手で演奏されます。
ト音記号で表記されるその他の楽器として、アコースティックギターやエレキギターなどの弦楽器、フルート・サックス・クラリネット・オーボエなどの木管楽器、トランペットやフレンチホルンなどの金管楽器に加えて、ハープやヴァイオリンなどがあります。
ト音記号をすばやく読めるようになると、演奏の際に便利なだけでなく、音楽を理解したり、音楽の知識を深めるのにも非常に役に立ちます。
この記事のおさらい
ト音記号は、音楽を読み書きするための便利なツールです。ト音記号は主に「中央C」より上の音程を扱いますが、加線を使うことで「中央C」より下の音程を表すこともできます。また、ト音記号は、五線譜の2行目(第二線)を「G4」(ト音)の高さに設定するため、「ト音記号」と呼ばれます。
ト音記号を学ぶと、音楽への理解が一歩深まりますので、ぜひ覚えてみましょう。Skoove のオンラインレッスンでは、ト音記号を簡単に学ぶことができます。
このブログ投稿の著者について
エディー・ボンド(Eddie Bond)は、現在、米国ワシントン州シアトルを拠点とするマルチインストゥルメントプレイヤー、作曲家、音楽講師です。米国、カナダ、アルゼンチン、中国などでの公演歴があり、今までに40枚を超えるアルバムをリリースしています。また、10年以上にわたって、あらゆる年齢およびレベルの生徒に音楽のレッスンを行っています。